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ビドゴシチ近辺の地図を見るとヴィスワ川が大きく湾曲していることに気がつくでしょう。
バルト海からヴィスワ川をまっすぐさかのぼってこれたのが、ここで270度の方向転換をします。 東の町境となるヴィスワ川から、緑の多い市内を流れるのはブルダ川。そしてブルダ川に続くのは長さ6kmのビドゴシチ運河です。東西ヨーロッパの内陸水上交通の交差点として歴史の中で大きな役割を果たしてきた重要な運河です。 もともとビドゴシチはヴィスワに面した町ではありませんでしたが、歴史の中で町の統合や分離を経て1973年にフォルドンFordonを合併したことによりヴィスワ川河畔ではワルシャワ、クラクフ、グダンスクに続いて第4番目の規模を誇る都市となりました。 

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美しき水の街
分割統治時代にインフラや建築など、プロイセンの首都ベルリンに模した街づくりを行った結果、ビドゴシチは20世紀には「小ベルリン」と呼ばれるほど整然とした美しい町並みで知られるようになりました。旧市街はブルダ川とムィンスカ川に囲まれ、旧市街広場のすぐそばに川の風景があるという珍しい都市です。川に近いという地の利を生かして、ビドゴシチは13世紀ごろから塩、銅、小麦、木材の貿易によって発展してきました。そしてこの広場は何世紀にもわたって、ある時は町の繁栄を誇り、またある時は外からの暴虐に耐え忍ぶ人々の生活の一部となってきました。

歴史の中でビドゴシチが形成され始めたころ、最初にここにあったのは木造の建築群でした。その後、時代の流れとともに堅牢な石造りへと変わり、15世紀にはゴシック様式、17世紀にバロック様式、20世紀初頭にはアール・ヌーヴォーと建物の各所に時代時代の流行が取り入れられて改築が行われてきたのです。


[見どころ]
旧市街広場の建物群

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市庁舎 Ratusz (ul. Jezuicka 1)
広場の一面にはビドゴシチを代表する建物のひとつである市庁舎があります。1644年から1653年のほぼ10年をかけて建設されたこの建物は当初はイエズス会の学問所でした。その後、ワルシャワ公国時代には大学校や高等学校となり、1879年からは市庁舎として利用されています。クヤフスコ=ポモルスキェ県の重要文化財に指定されています。
 

旧市街広場1番地 Stary Rynek1
17世紀築の建物で1階にはビドゴシチ最古の薬局があります。1590年ごろにカルメル会修道院内で開業し、1780年ごろに新築された際に1階に入り、1795年まで修道士が薬局を切り盛りしていました。その後、ビドゴシチの有名な薬局経営者クプフェンデル家の手に渡り.

1808年から1921年まで同家の所有となりました。鷲の彫刻が建物の外壁にあることから金鷲軒Pod Złotym Orłemと呼ばれています。クプフェンデル家は1909年に創業100年記念で「ガチョウと遊ぶ子どもたち」像が愛らしい噴水を町に寄贈しました。この噴水は戦時中に金属部分を軍に供出させられたものの、別の場所に保管されて戦後に別の位置に設置されました。

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同15番地
まるでポーランド版「ファウスト」のような貴族トファルドフスキは、魔力の変わりに悪魔に魂を売ったといわれます。ビドゴシチを訪問して、魔法で市長を若返らせたというエピソードがあり、この人形はそれの話に由来しています。トファルドフスキの人形が毎日13:13と21:13にメロディーに合わせて現れて、おじぎをすること観光客の歓声が上がります。

同27番地

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右端にある淡いピンク色の建物は金鮭軒と呼ばれる建物です。1775年築で、モスクワ遠征途中のナポレオンがここの2階で休憩を取ったといわれています。

この広場の西面には、かつては40メートルの塔が町のランドマークとなっていた聖イグナチオ・ロヨラ教会(1649-1940)がありました。しかし、1940年1月から3月にかけて、ドイツ第3帝国にふさわしい建物を建てるのに邪魔になるという理由から、ナチスによって町の貴重な文化財のひとつであった聖ロヨラ教会は近隣の建物とともに取り壊されてしまいました。その後、ナチスが計画した建物は着工しないまま終戦を迎えて現在に至っています。

現在の市庁舎


ビドゴシチへのアクセス

◆電車
所要時間はトルンから1時間、ワルシャワから3時間40分、グダンスクから3時間15分
ポズナンから2時間10分

◆飛行機
フランクフルト、ロンドン、ブリストル、デュセルドルフ、ダブリン、リバプール、ワルシャワなどに定期就航便があります。
ビドゴシチ国際空港ホームページ www.plb.pl

 

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