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ルブシュ地方

ルブシュ地方(ルブスキェ県, lubuskie)

自然が残る西ポーランドのルブスキェ地方は温暖な気候のおかげでワイン用のふどう作りが盛ん。まるでフランスのような畑が続く風景がとても印象的です。
ポーランドは緯度が高く、気候が概してぶどうの栽培に適さないためワインの製造は殆ど行われていませんが、この地方は例外です。ジェロナ・グラにはワイン博物館があり毎年9月には大きなワイン祭りが開催されています。このフェスタではここだけのご当地ワインをたっぷり楽しむことができます。のどかで時間がゆっくり流れる癒しを求めて旅するならルブスキエ地方はおすすめです。ルブスキェ地方はポーランドの西の国境線に従って南北に広がります。なかには、ユネスコ世界遺産に指定されているムジャクフ景観公園やそのほかの価値ある史跡が多数あるエリアです。

ムジャクフ公園(世界遺産)
ムジャクフ公園はポーランドとドイツの国境を流れるヌィサ・ウジツカ川の両側に広がる二つの国にまたがる景観式庭園です。景観式庭園とは、ヨーロッパの作庭技法のなかのひとつで、土地のなだらかな起伏を利用し、あたかも自然の景色であるかのように設計された庭園のことを言います。ポーランド、ドイツ両国で世界遺産に登録されているムジャクフ(ムスカウ)公園はこの景観式庭園としてはヨーロッパで一番規模が大きいことで知られています。その総面積は700ヘクタール以上。約500ヘクタールがポーランド側にあり、ドイツ側はバート・ムスカウと隣接しています。この見事な庭園を造ったのは19世紀前半に英国庭園の美に感銘を受けたヘルマン・ピュックラー=ムスカウ侯爵。自らも作庭家であったムスカウ侯爵は、自然美を生かした英国庭園を模した庭園を領地の中に造ることにしました。
起伏の富んだ土地を上手に利用した公園内には草花や木を生かした庭園に囲まれた住居用の建築物群があります。ムスカウ侯爵が手放した後も、フレデリク・ニデルランツキ公爵など代々の所有者は、庭園の当初の構成を保存しつづけ、さらにムスカウ侯爵の志を生かした補修を行いながら管理を続けました。第二次世界大戦後、新たな国境線によってこの公園は分断されましたが、1980年代からはポーランドとドイツの間で再評価プログラムの対象となりました。文化・景観の保護と保存のために二つの国家が協力するのは、ヨーロッパでは初めてのことでした。そしてそれが世界遺産への登録という素晴らしい結果を生んだのです。

ミェンヅィジェチ(地下要塞とこうもりの保護区)
巨大なナチスの地下要塞ポーランドには第2次世界大戦中にドイツ軍によって築かれた建築物が各地に史跡として残っています。その代表的なものが西部にあるミェンヅィジェチの地下要塞といえるでしょう。
かつてフランスが対ドイツ用に国境に設置したマジノ線を彷彿させる巨大な要塞です。東のマジノ線ともいえるこの途方もない地下基地が築かれたのは1930年のことでした。これはオドラ(オーデル)川とヴァルタ川の間、およそ100kmに及びます。MRU(Międzyrzecki Rejon Umocniony、ミェンヅィジェチ防衛区)と呼ばれるこの地下要塞群は、ヨーロッパでも類を見ない規模のもので、その歴史や建築に用いられた技術はとても興味をそそられます。第2世界大戦が始まるまえには100キロにわたる防衛線に106の堅固なコンクリート造りの要塞が建設され、そのうち21個は連絡通路でつながれましたが、戦時中には軍需工場として利用されたこともありました。中には狭軌道の線路も敷かれており、換気や排水などについてもしっかりとした設計がなされています。深さ15から40メートルの深さに築かれたこの要塞の地表に出ている部分は、ちょうどプリン型を伏せたような形になっています。厚さが50センチもある鋼板が使用されていて、爆撃を受けても鋼板にくぼみができる程度だったといわれます。ここの見学は、年間を通じて可能ですが、おすすめは4月半ば以降から9月までです。
この巨大な地下要塞にはもうひとつ秘密があります。じつは、ここはコウモリの保護区になっており、3万羽以上のコウモリが中に生息しています。夏季にはなかに入ってその生態を観察することができますが、冬場は冬眠中のコウモリが目を覚ますことがないように立ち入りが禁じられています。

 

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