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クラクフ

旧市街はコンパクトにまとまっているので駅から王宮までの移動は徒歩で十分でしょう。
クラクフ中央駅から旧市街に入るとフロリアンスカ門からフロリアンスカ通り、中央広場、グロツカ通りの順で旧市街の南端ににあるヴァヴェル城に行きつきます。この城は歴代ポーランド国王の居城であり、また戴冠式がとりおこなわれた場所です。
趣のある王宮Zamek Królewskiは、16世紀初めにルネサンス様式で建てられ、ここには数多くのコレクションが収められています。そのうち最も貴重な展示品に数えられるのは、ブリュッセルの織物工房で作られたルネサンスのタペストリー138枚です。城内のカテドラルの地下には、王家の人々やポーランドを代表する偉人が眠る墓所があります。

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町の中心には、ヨーロッパ最大の広場リネク・グウヴヌィRynek Główny(中央広場)があります。1辺200メートルの巨大な広場は人々が行き交う場所であり、出会いの場、そして待ち合わせの場となっています。あちこちに小粋なカフェ、鮮やかな花々があふれる屋台、土産物屋などが並んでいます。
広場の中には織物会館Sukiennice、小さな聖ヴォイチェフ教会Kościół św. Wojciecha、旧市庁舎塔Wieża Ratuszowaがあり、かつては裕福な貴族たちが所有していた美しい装飾が施された石造の住宅が広場を四方から囲んでいます。中央広場の一角にある聖マリア教会Kościół Mariackiには、ヴィト・ストフォシュWit Stwosz作のみごとな聖壇があり国宝に指定されています。

中央広場につながる通りに立ち止まってみましょう。どのアングルでも絵になる古都クラクフの景色が広がっています。                                      
中央広場から少し歩けば、中欧ではプラハのカレル大学に続く歴史を誇るヤギェロン大学Uniwersytet Jagielloński(1364年創立)が見えます。コペルニクス、若き日のヨハネ・パウロ2世も学んだこの大学には、コレギウム・マイウスCollegium Maiusという中世からの建物があり博物館になっています。観光の合間に美術館・博物館めぐりはいかがでしょうか?クラクフ市内にある36の美術館・博物館には、ポーランド全国にある美術品の1/4を越える、200万点以上が保管されているのです。さらに、旧市街には、中世の都市計画によって配置された建築物がそのまま残っていますが、今はもうなくなってしまった防壁はその跡を公園として利用しています。旧市街の周りをぐるりと囲んでいるユニークな公園プランティPlantyは、その防壁の跡に作られた緑地帯です。ロマンチックなガス灯を思わせる照明が美しく、夕方からは日中とは違った趣きがあります。 現在残っている堡塁は、フロリアンスカ門Brama Floriańska、バルバカンBarbakan(外堡)など一部分のみになっています。
 

クラクフの町には、かつては多くのユダヤ人が住んでいました。中世に西欧で迫害を受けたユダヤ人が、彼らに対して寛大な政策をとっていたポーランドに流れ込んできたからです。カジミェシュKazimierzは、ユダヤ人が多く住んでいた地区で、その先に続くポドグージェPodgorzeには戦時中にゲットーが設置されていたこともありました。廃屋も現在ではきれいに修繕され、ユダヤ寺院やユダヤ人墓地のほかに、ユダヤ人街にかつてあった店構えを再現した一角や、ユダヤ料理店、ホテルなどが並び、独特の雰囲気をかもし出しています。

一言で語り尽くせない魅力 ― それに魅かれてポーランドに来るたびにこの街を素通りできないリピーターも多いようです。
あなたもクラクフの石畳に足あとを残しませんか。

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