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HOSPITALITY ホスピタリティ

おもてなしの精神は古くからのポーランドの伝統として知られています。かつての貴族の宴にその起源を遡ることができ、良いおもてなしは当然の作法とされてきました。
「客人が家にいるのは神様がいることである」という格言がありますが、これはその伝統を的確に伝えています。今でもこのホスピタリティのよさは広く一般の家庭や各地の宿泊施設や飲食店などにも受け継がれています。

なんと言ってもおもてなしの中心は食事です。ポーランド各地の観光インフォメーションでは、郷土の味が楽しめる観光ルートを推奨しています。豊かな大地の恵みや海や山の幸など、豊富な食材に恵まれているポーランドでは、中欧ヨーロッパのなかでも一味違う、とっておきのお料理を召し上がっていただけます。

SIGHTSEEING 観光

千年を超える歴史に培われたポーランドの文化は多くの価値あるヘリテージを残してきました。そして各地には世界遺産同様に価値ある史跡や建造物が残っています。歴史をテーマに観光スポットをまわるなら、まずは古城巡りがおすすめです。国内の名城を挙げるとクラクフ歴史地区のヴァヴェル城、ワルシャワ歴史地区の王宮、世界遺産マルボルク城、そして南西ポーランドの優美なクションシュ城も必見のお城です。クションシュ城がある南西部ドルヌィシロンスク地方と呼ばれ、フランスのロワール河畔に引けをとらないほどの古城や小宮殿があることで有名です。現在ではそういった多くの歴史的建造物が古城ホテルになっています。
城に次いで注目したいのは教会建築です。クラクフの荘厳な聖マリア教会や素朴な木造教会にほっこりと心が温まるマウォポルスカ地方やカルパティア地方、町全体にキリストの十字架への道を再現したカルヴァリア・ゼブジドフスカ、聖母マリア信仰の中心地チェンストホーヴァなど、ポーランドの歴史がはぐくんだオンリーワンの宗教建築に出合うことができるのです。

ポーランドには23の国立公園と国定公園が120か所点在しています。手つかずの原生林や大湿原、湖や2千メートル級の山が連なる山岳地方などスケールの大きな自然に恵まれ、秘境や絶景を楽しめる場所も少なくありません。
都市の中心部でさも緑地が多いのがポーランドの都市の特徴といえるでしょう。市街地にも大きく育った並木や深い緑に包まれた公園、歴史的な建物の大きな庭園がバランスよく配置されており、都会にいても四季折々の自然の美しさを楽しめるようになっています。

HERITAGE 歴史遺産  

地理学上ヨーロッパの中心に位置するポーランドは、東西南北の文化の交差点でした。そのポーランド文化が育んだ国内17か所の世界遺産はワルシャワやクラクフのように歴史的な地区が指定されているものもあれば、城や教会、国境を跨ぐ巨大な景観公園や原生林、鉱山など多岐にわたっています。
そのなかでも、とりわけワルシャワ歴史地区は注目に値する世界遺産でしょう。それは、第二次世界大戦中の計画的破壊によって灰燼と帰した後、戦争前と寸分たがわない姿になって再建されたワルシャワ歴史地区は、ユネスコがポーランド人の英知と尽力を高く評価したことにより、例外的に認定された世界遺産なのです。 ほかにも、ルネッサンス期にたった20年で夢の町を作る構想を実現したポーランド貴族ヤン・ザモイスキの街「ザモシチ」、また錆色のゴシックレンガ建築が重厚な雰囲気を醸し出す中世都市トルンやマルボルク城は海外のツーリストからも人気のステイ先となっています。
産業遺産としてはヴィエリチカとボフニァにある王立岩塩坑タルノフスキェ・グルィの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システムも深い学びの場として知られています。

TRADITION 伝統

地方には都会にない人情を感じることができます。地域の伝統と人懐っこい笑顔が出迎えてくれる田舎では本当のポーランド的「おもてなし」が実感できるといっても過言ではありません。
最近は、快適なゲストルームを備えた農家やファームステイの体験型宿泊施設が多く、家族連れや小グループでゆっくり休日を過ごすには最適の宿として人気が高まっています。

注目すべき伝統工芸の一例としてポーランドの南部、チェコとの国境も近い小村コニャクフの特産品のレースがあります。綿素材の高品質の手編みレースで、代々、母親から娘へと受け継がれてきたものです。コニャクフ・レースは、英国のエリザベス女王にも献上されました。
植物をモチーフにしたものが多く、クリスマス飾りからテーブルクロス、カーテンや、帽子、洋服、ランジェリーまで地元の女性達が編んだ作品を現地価格でお求めいただけます。

ポーランドには民族衣装という全国共通の衣装はありませんが、地方、地域ごとに伝統が凝縮されたフォークコスチュームがあります。とくに有名なのはワルシャワの南西にあるウォヴィチの衣装です。独特な色使いの分厚いウールのスカートに、華やかな花柄の刺繍がほどこされたブラウスやベストはとてもみごとです。ウォヴィチでは伝統工芸の切り紙も有名です。最近ではウォヴィチの切り絵をモチーフにしたグッズもいろいろと販売されています。伝統の美とモダンでポップなテイストを生かしたは主要都市の土産物店や空港免税店でもお求めいただけます。

祝祭日の行事にはポーランドの歴史と伝統が凝縮されています。モミの枝の香りときらめくクリスマス飾り、イルミネーション、クリスマスの伝統料理など、瞼を閉じれば温かいのエピソードがいくつも脳裏に浮かぶそんな家庭の年中行事です。
これに続く大切な行事は復活祭(イースター)です。イースターエッグの絵付けや各地のイースターマーケットなどが春の風物詩になっています。中心になるのはシュロの主日で、キリストのエルサレム入城の際に人々がシュロの葉を敷いて救世主を歓迎したといわれることにちなんだお祝いです。ポーランドでシュロの代わりに用いられているのはネコヤナギとドライフラワーなどをまとめたもので、一般の家庭では小さいものを用意しますが、毎年南ポーランドのリプニツァ・ムロヴァナでは何メートルもある華やかなシュロ飾りを作ってその大きさを競う有名なコンクールが開催されます。

CULTURE 文化

芸術・文化関係のフェスティバル、コンサートは年間を通じて数多く開催されます。とくに5年に1回のショパン国際ピアノコンクールは、だれもが注目する国内最大の音楽コンクールです。
ほかにもショパンに関する恒例のイベントでは、毎年春から
9月末の毎日曜日にワルシャワで開催されるショパンピアノコンサートを挙げられます。これはワジェンキ公園のショパン像下で5月から9月まで毎日曜日に開かれている無料の野外コンサートです。
また、毎年夏に開催される「ショパンとそのヨーロッパ音楽祭」も人気の音楽祭です。ジャンルが豊富なだけでなく、ショパンが中心でありながら、ショパン以前の時代から現代までを網羅し、世界的なソリストが演奏することでも世界から注目を浴びる音楽の祭典です。

ワルシャワ旧市街広場のジャズコンサートも定番の野外コンサートです。ワルシャワ旧市街広場が週に1度ジャズコンサートの会場になり、ポーランドや海外の有名ジャズバンドの演奏を堪能できます。旅情あふれる世界遺産ワルシャワ歴史地区でのコンサートはきっとすてきな思い出になるでしょう。

北ポーランドにも文化と歴史をを伝える様々な伝統行事が開催されます。たとえば、グダンスクでは毎年7月下旬から8月半ばまで、7世紀半余りの歴史を誇る聖ドミニコ市が開催されます。日替わりで毎日魅力的なアトラクションがあるほか千店余りの出店があり、琥珀や各地の名産品、ハンドメイド雑貨や食料品、また大規模な蚤の市も開催されます。根気よく探せばこれはという素敵な掘り出し物が見つかるかもしれません。
同じ北ポーランドでは史実に基づいて中世騎士の大合戦を再現する「グルンバルト」やマルボルク城の包囲戦を史実に基づいて再現する大規模な歴史イベントもあって圧巻です。

ポーランド南西部のドイツ国境に近いボレスワヴィエツは、ポーリッシュポタリーの街として外国の旅行者にも人気が高い美しい町です。ここでは毎年8月半ばに数日間にわたって有名な陶器祭りが開かれます。普段は個別に店を捜し歩く手間がかかる窯元各社が出店しているので、お目当ての陶器を効率よく探すことができるでしょう。

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